私たちの生活の中で出されたプラスチックごみの中で、国内で処分できないものは海外に輸出されていることを知り、調べてみました。
主な輸出先は?
🥇マレーシア / 🥈ベトナム / 🥉台湾
(テーブル)
なぜ、国内でリサイクルできないプラスチックがあるの?
汚れがひどいプラスチックは、分別や洗浄作業が難しく、国内でリサイクルするにはコストがかかるため。
食品や泥などの汚れ、マヨネーズなどの油分、キムチなどの強い臭いが付着してしまったプラスチックは、分別と洗浄が必要となるためにリサイクルにかかる諸コストが増えます。
こういった「汚れた」プラスチックは、「容器包装リサイクル法」によりリサイクルができないと定められたため、コストのかかる日本ではなく、海外へ「資源」として輸出し、リサイクルをしてもらっているのです。
以前の最大の輸出先は、中国🇨🇳
2017年までの主な輸出先は中国でした。中国は、日本以外の諸外国からも積極的にプラごみを受け入れていました。
背景には、日本や先進国の品質の高いプラスチックごみを「資源」として輸入して、国内で原材料として使おう、という「世界の工場」としての意図もあったようです。
しかし、リサイクルをめぐる児童労働や劣悪な労働環境、環境汚染などの問題が2016年までに顕在化しました。
そして2017年、中国は廃プラスチックを含む廃棄物原料の輸入禁止を発表。それまで中国へ輸出されていたプラスチックごみが、今度は東南アジアへと輸出されるようになったのです。
自分たちのごみを「処理してもらっている」
しかし、新たにごみの輸出先となったマレーシアやベトナム、台湾のような国々でも、ゆくゆくは同様の問題が発生することが懸念されます。
そのため、2019年に廃棄物の国境移動を国際的に規制する「バーゼル条約」が改正され、2021年からプラスチックごみの輸出には事前に相手国の同意を得ることが義務化されました。
ネクストアクション
「容器包装リサイクル法」について知る
日本容器包装リサイクル協会ウェブサイト「容リ法って何だろう」 https://www.jcpra.or.jp/container/tabid/945/index.php#Tab945
廃プラスチックの輸入が中国に与えた影響を知る
映画「プラスチック・チャイナ」
https://asiandocs.co.jp/contents/52
今すぐできることを考える
容リ法が制定された背景として、家庭から出るごみの63.5%(容積比)が、「容器」「包装」に使われたものというデータがあります。いかに生活のあちこちでプラスチック容器や包装を使用しているか、がわかりますね。
過剰包装を避けること、また、ごみとなるプラスチック容器はきちんと洗浄し、地域のルールにしたがってリサイクルへまわすことも大切です。
消費者と事業者が一体となって意識の変革を行いながら、誰かの苦しみが土台とならない社会を作るべきではないでしょうか。
デザインノート
自分たちの出したごみが外国でリサイクルされていると知ったとき、そんな遠いところにまで行くんだ!と思いました。頭の中には、旅をしているプラスチックゴミのイメージが。
その「距離の遠さ」を表現したい、日本からどれだけ離れているかが一目でわかるようにしたいと考え、地図での見せ方にしてみました。
「日本からの距離を、国別に棒グラフにして見せる方法」も考えましたが、地図の方が直感的にわかりやすいこと、また、自分たちの行いを省みる必要があるような内容なので、楽しくデータを見てもらえるような方法として今回のデザインを採用しました。